麻しん
麻しん
麻しん(はしか)は、感染力が非常に強く、麻しんに対して免疫がない場合、9割が発症するといわれています。予防には、麻しんワクチンの接種が最も有効です。
麻しんに感染すると免疫力が低下し、以下のような合併症を発症することがあります。
脳炎
麻しん脳炎を発症した場合、致死率がおよそ10%といわれています。
中でも、麻疹に罹患した人の数万人に1人が発症する、発症亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は、重症化します。感染後、数年の無症状機関を経て発症し、発症後数ヶ月から数年をかけて悪化します。
循環器系疾患
心筋炎、心外膜炎を発症することがあります。麻しんの経過中に、心電図以上が見られることがありますが、重症化することは稀といわれています。
妊娠中のリスク
妊娠中に麻しんに罹患すると、重症化し、流産、死産、早産になる場合があると報告されています。
呼吸器系疾患
麻しんに伴う合併症のおよそ半数が肺炎といわれています。気管や肺に炎症が生じ、呼吸障害を引き起こします。
血液疾患
麻しんに感染すると、血液凝固反応に異常をきたし、紫斑や止血不良などが起こることがあります。
眼の疾患
特に栄養失調の小児には失明がみられることがあります。
内臓疾患
肝臓や膵臓、腸に障害を引き起こし、肝炎、膵炎、虫垂炎、大腸炎を発症することがあります。
免疫疾患
2019年11月に発表されたウィルス免疫学の研究結果では、麻しん感染により免疫力が顕著に低下すると報告されています。特に麻しんワクチンを接種していない小児においては、感染した多くの患者が、免疫力低下により、麻しん以外の感染症を起こしやすいとされています。過去に接種した他のワクチンの抗体にも影響があり、これらのウィルスに感染する場合もあるとされています。麻しんワクチンを接種している場合は、感染してもこのような重篤な状態にはなりにくいといわれています。
麻しんワクチン接種をせずに「自然感染」することで抗体ができ、免疫力が高まると思われている方々もいますが、麻しんは、感染すると免疫力が低下し、重症化する場合があることが明らかになっています。
麻しんの予防には、ワクチンの接種が最も有効です。予防接種を必ず受けましょう。
ファミリーメディカルプラクティス - 小児科